2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

悪魔の涎・追い求める男

『悪魔の涎・追い求める男』 コルタサル ☆☆☆☆☆ 岩波文庫から出ているコルタサルの短編集を読了。これは色んな短編集から代表作をチョイスした独自編集の短編集である。実は私、これを読んでコルタサルのイメージが大きく変わった。これまでの私のコルタサル…

LATE LATE SUMMER

『LATE LATE SUMMER』 ブレッド&バター ☆☆☆☆ ブレッド&バター、通称ブレバタが1979年に発表したアルバム。ブレッド&バターは兄弟のデュオで、どこかの時点で大ブレークしたというわけじゃないが、湘南あたりでカフェをやったりセーリングしたり好きなことし…

脱走と追跡のサンバ

『脱走と追跡のサンバ』 筒井康隆 ☆☆☆☆☆ 筒井康隆初期の名作を再読。私が最初にこれを読んだのは小学生の時で、はっきり言って意味が分からない部分が多かった(特にセックス絡みの部分)。しかし頭をぶん殴られたような衝撃は今でもはっきり覚えていて、小…

ヒミズ

『ヒミズ』 園子温監督 ☆☆☆ 『恋の罪』に続いてレンタルDVDで観賞。『冷たい熱帯魚』や『恋の罪』よりいいという評判を聞いて期待して観たが、それほど良いとは思えなかった。正直いって『恋の罪』の方がまだ面白かったぐらいである。原作の評判も高いみたい…

アフリカの日々

『アフリカの日々』 イサク・ディーネセン ☆☆☆☆☆ イサク・ディーネセンことブリクセン男爵夫人の『アフリカの日々』を再読。これはロバート・レッドフォードとメリル・ストリープ主演の『愛と哀しみの果て』の原作ということで有名だが、私は映画を観た事は…

ドラマ

『ドラマ』 イエス ☆☆☆★ イエスが1980年に発表したアルバムだが、イエスの歴史の中では異色作と言っていいだろう。オリジナル・メンバーでありバンドの顔とも言えるヴォーカリストのジョン・アンダーソンと、前にも一度脱退歴のあるキーボードのリック・ウェ…

罪悪

『罪悪』 フェルディナント・フォン・シーラッハ ☆☆☆★ 『犯罪』が素晴らしかったシーラッハの第二短編集。やはり水準以上のクオリティはキープしているものの、前作ほどのインパクトはなかった。共通するフォーマットが感じられ、融通無碍の展開を見せてくれ…

恋の罪

『恋の罪』 園子温監督 ☆☆☆★ DVDで観賞。相変わらずエログロ満開だが、今回はひときわエロである。テーマはセックスといっていいだろう。と同時に、単なるエロ作家ではない園子温監督の文学趣味も前面に出ている。「城」というカフカ絡みのキーワードもそう…

レイチェル

『レイチェル』 ダフネ・デュ・モーリア ☆☆☆ 『レベッカ』のダフネ・デュ・モーリアが書いた、『レベッカ』と同タイプの小説ということで入手した。女名前一文字のタイトルも同じだが、原題は「私の従姉妹レイチェル」である。読み終えて、まあ予想通りとい…

Chris Botti In Boston

『Chris Botti In Boston』 Chris Botti ☆☆☆☆ アメリカ人のトランペッター、クリス・ボッティのライブ音源。スティングのバンドでトランペットを吹いていた人である。くぐもった情感のあるペットの音が特徴で、暑苦しくなく、ロマンティックかつクール。革新…

燃えよ剣

『燃えよ剣(上・下)』 司馬遼太郎 ☆☆☆☆ メチャメチャ面白いと定評のある、司馬遼太郎の新撰組本を読んでみた。大体司馬遼太郎という人はビジネスマンや中年男性好みの作家と言われるが、その万人受けしそうな健全さ、格調の高さ、適度な薀蓄、現代社会にも…

トラフィック

『トラフィック』 スティーヴン・ソダーバーグ監督 ☆☆☆☆☆ DVDで再見。2000年にアカデミー監督賞その他を獲ったヒット作で、個人的には『エリン・ブロコビッチ』と並ぶソダーバーグ監督の最高傑作だと思っている。題材は麻薬取締りをめぐる諸問題という社会派…

駅路

『駅路』 松本清張 ☆☆☆★ 松本清張の短編集を読了。悪くないが、松本清張としては水準作だと思う。こじんまりした作品が多くて、飛び抜けて強い印象は受けなかった。その中で一番面白かったのは、最後の『陸行水行』である。これは大学助教授の主人公が九州に…

『鏡』 アンドレイ・タルコフスキー ☆☆☆☆☆ 所有している日本版DVDで再見。タルコフスキーの名作である。ストーリーらしいストーリーはなく、母親、失踪した父親、そして自らの幼少期の記憶、といったものを題材にした断片的な映像が、スクリーン上を夢のよう…

江戸川乱歩集

『江戸川乱歩集』 江戸川乱歩 ☆☆☆★ 創元文庫から出ている「日本探偵小説全集」の第二巻『江戸川乱歩集』を再読。この本、ほとんどサイコロ状である。一冊の文庫本でありながら『パノラマ島綺譚』『陰獣』『化人幻戯』の長編三つと主要な短編あれこれが収録さ…