2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アヒルと鴨のコインロッカー

『アヒルと鴨のコインロッカー』 中村義洋監督 ☆☆☆★ 『ポテチ』と同じく、これも伊坂幸太郎原作の中村監督映画化作品。短い『ポテチ』と違ってフルサイズの長編映画だが、手法は『ポテチ』とまったく同じ「多数のサブプロット投入によるメインプロット攪乱」…

魔法にかかった男

『魔法にかかった男』 ディーノ・プッツァーティ ☆☆☆☆ プッツァーティの短篇集『魔法にかかった男』を再読。プッツァーティは長編では『タタール人の砂漠』、短篇では「七人の使者」「七階」などの短篇が有名な不安と不条理の幻想作家だが、特に「七階」はも…

Hotel By The River

『Hotel By The River』 ホン・サンス監督 ☆☆☆☆ iTunesでホン・サンス監督の『Hotel Bu The River』を鑑賞。日本では『川沿いのホテル』のタイトルで上映されたようだ。『それから』と同じくモノクロ映画である。 物語はずっと川沿いの小さなホテルを舞台に…

権力者たち

『権力者たち』 マイク・ニコル ☆☆☆☆ このところ仕事が超多忙となり更新が滞ってしまっている。コロナウィルス対応で会社全体のテレワーク推進を大至急進めているためだが、もともと全然ペーパーレスができていない旧体質な会社なので、ここへ来てどさっとツ…

パラサイト 半地下の家族

『パラサイト 半地下の家族』 ポン・ジュノ監督 ☆☆☆☆☆ アカデミー賞受賞ですっかり有名になった『パラサイト』、色んな人がすでに感想やレビューをネットにあげているのでもう目新しいことは何も書けないが、やはり私もこの映画に感動した一人なので、批評や…

どこか、安心できる場所で

『どこか、安心できる場所で』 関口英子/橋本勝雄・編 ☆☆☆★ 2000年以降の現代イタリア文学の短篇を15篇収録したアンソロジー。エーコ、タブッキ、カルヴィーノ、ブッツァーティ、モラヴィアというイタリア文学のビッグネームたちが活躍したのはもはや前世紀…

ミステリー・トレイン

『ミステリー・トレイン』 ジム・ジャームッシュ監督 ☆☆☆☆ 最近私は永瀬正敏にハマっていて、この『ミステリー・トレイン』も永瀬が出演しているから観た映画の一つである。前に観た『息子』のDVD特典で、山田洋次監督が『ミステリー・トレイン』を観て永瀬…