2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

アインシュタインの夢

『アインシュタインの夢』 アラン・ライトマン ☆☆☆☆☆ ハヤカワepi文庫の『アインシュタインの夢』を久しぶりに再読。私はこの独特の美しさを持った小説が大好きなのだが、もはや絶版のようだ。今アマゾンで見ると、中古本がたった27円で出品されている。本よ…

推定無罪

『推定無罪』 アラン・J・パクラ監督 ☆☆☆☆★ iTunesで購入し、再見。私はいまだにクラウドに不信感を持っているので、気に入った映画は大体DVDかブルーレイを買うようにしているが、最近は置く場所に困るようになり、ダウンロード購入も増えてきた。といって…

慈雨

『慈雨』 柚月裕子 ☆☆☆☆★ 映画『孤狼の血』の原作者、柚月裕子氏の小説を読んでみたいと思ってセレクトした本。結果的に大変満足したが、同じ警察小説でありながら、映画『孤狼の血』とはまったく違うタイプの小説だった。派手で、えげつなく、昭和色濃厚で…

自由が丘で

(出典:https://eiga.com/) 『自由が丘で』 ホン・サンス監督 ☆☆☆☆ 『三人のアンヌ』の面白さにびっくりし、その後色々と観まくっているホン・サンス監督作品だが、加瀬亮が出演している映画があると知ってさっそくAmazonでDVDを取り寄せた。それにしてもホ…

前世への冒険

『前世への冒険』 森下典子 ☆☆☆☆ これはかなり変わった本だった。あなたは前世でイタリアの彫刻家だった、と言われた著者・森下典子氏が信じられないと思いつつもこの彫刻家に惹かれてフレンツェ、ポルトと旅をする話で、つまりノンフィクションである。前世…

俺達に墓はない

『俺達に墓はない』 澤田幸弘監督 ☆☆☆★ 松田優作主演、1979年公開映画『俺達に墓はない』。79年といえば遊戯シリーズ三部作の直後、大ヒット作『蘇える金狼』と同年だ。つまり優作がハードボイルド・アクション俳優として脂が乗りきっていた時期だけれども、…

シャーロック・ホームズ 絹の家

『シャーロック・ホームズ 絹の家』 アンソニー・ホロヴィッツ ☆☆☆☆ 『カササギ殺人事件』があまりにも素晴らしかったので、ホロヴィッツのホームズものを入手。もちろんパスティーシュだと思って買ったのだけれども、実は本書はホームズの61番目の作品とし…

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ

(出典:https://www.imdb.com/) 『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』 アキ・カウリスマキ監督 ☆☆☆★ カウリスマキ・ブルーレイBOXの中から、まだ観ていなかった『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』を鑑賞。カウリスマキ作品中で…

掏摸

『掏摸』 中村文則 ☆☆☆☆ 中村文則という作家さんの小説を初めて読んだ。本書は大江健三郎賞受賞作にしてLAタイムズ文学賞候補作、更にウォール・ストリート・ジャーナルの2012年ベスト10小説に選ばれたというお墨付きの傑作。おまけに、米アマゾンの「Best b…