2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

絶叫

『絶叫』 葉真中顕 ☆☆☆☆ 著者名は「はまなか・あき」と読む。この著者の本は初めてだったが、本の内容と名前から女性かと思っていたら男性だった。しばらくブログやライターをやっていて、ミステリ小説で賞を獲ってデビューした人らしい。デビュー作は『ロス…

チャイナタウン

『チャイナタウン』 ロマン・ポランスキー監督 ☆☆☆☆☆ ポランスキー監督の『チャイナタウン』を久しぶりにまた観たくなった。これは定期的に観たくなる映画のひとつなので、この際手元に置いておこうと思って日本版のブルーレイを購入した。何度観てもやっぱ…

フェルナンド・ペソア最後の三日間

『フェルナンド・ペソア最後の三日間』 アントニオ・タブッキ ☆☆☆☆☆ もう何度読んだか分からない、そして何度読んでも魔法を失わない本について書きたい。アントニオ・タブッキの『フェルナンド・ペソア最後の三日間』である。 タブッキの小説はすべてフェル…

ダウト あるカトリック学校で

『ダウト あるカトリック学校で』 ジョン・パトリック・シャンリー監督 ☆☆☆☆★ Netflixで鑑賞。最近フィリップ・シーモア・ホフマンが出ている映画はつい観たくなるという癖がついてしまったが、これもそんな映画のひとつ。フィリップ・シーモア・ホフマンと…

日本文学100年の名作 第9巻 1994-2003 アイロンのある風景

『日本文学100年の名作 第9巻 1994-2003 アイロンのある風景』 池内紀/松田哲夫/川本三郎・編集 ☆☆☆☆ しばらく遠ざかっていたが、再び「日本文学100年の名作」シリーズを読みたくなって今度は第9巻を入手。ちょうどミレニアムに移行する時代、ごく最近だ。…

誘導尋問

『誘導尋問』 ミック・ジャクソン監督 ☆☆☆☆☆ アマゾン・プライムで鑑賞。実話をもとにした法廷もので、主演はジェームズ・ウッズ。バリバリに硬派な社会問題告発型の映画だ。これを観るまでまったく知らなかったが、題材となっているマクマーティン保育園事…

フラナリー・オコナー 楽園からの追放

『フラナリー・オコナー 楽園からの追放』 ジュヌヴィエーヴ・ブリザック ☆☆☆☆ アマゾンの作品紹介にはこうある。「『私たちは土でできている。汚れるのがいやなら、小説なんか書かないことだ』 米文学史上に特異な輝きを放つフラナリー・オコナー。39歳の若…

ミスティック・リバー

『ミスティック・リバー』 クリント・イーストウッド監督 ☆☆☆☆ iTunesのレンタルで鑑賞。大好きなクリント・イーストウッド監督の作品にもかかわらず今まで観ていなかったのは、「後味が悪い映画」「鬱になる映画」みたいなランキングで常に上位に入っている…

アブサン 聖なる酒の幻

『アブサン 聖なる酒の幻』 クリストフ・バタイユ ☆☆☆☆ このクリストフ・バタイユという作家は1993年に若干21歳で華々しくデビューし、日本でも『安南』『アブサン』『時の主人』と立て続けに翻訳が出て、結構盛り上がった記憶がある。エンタメではなく、ど…

世界侵略のススメ

『世界侵略のススメ』 マイケル・ムーア監督 ☆☆☆☆ 日本版ブルーレイで再見。マイケル・ムーアの映画はどれも挑発的で、明快なメッセージ性を持ち、必然的に内容にはバイアスがかかっているだろうから鵜呑みは危険だが、見せ方や切り口が面白く、観客にアピー…