2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

赤いモレスキンの女

『赤いモレスキンの女』 アントワーヌ・ローラン ☆☆☆☆★ 本書は『ミッテランの帽子』が素晴らしかったアントワーヌ・ローランの近作である。恥ずかしながら私はモレスキンという言葉を知らなかったが、イタリアにあるモレスキン社という手帳のブランドだそう…

チェルノブイリ

『チェルノブイリ』 ヨハン・レンク監督 ☆☆☆☆☆ 日本版ブルーレイを購入して鑑賞。全五話、1986年のチェルノブイリ事故の経緯を描くHBO制作のノンフィクション・ドラマである。エミー賞リミテッドシリーズ部門の作品賞、監督賞、脚本賞やゴールデングローブ賞…

火星年代記

『火星年代記』 レイ・ブラッドベリ ☆☆☆☆ 本書はブラッドベリが1960年代に発表したSFの古典で、私が子供の頃、名作SFと言えば必ず名前が上がった金字塔的作品である。あとがきでは、普段めったにそんなことをしなかった星新一が、日記の中に本書のタイトルを…

ソーンダイク博士短篇全集Ⅰ 歌う骨

『ソーンダイク博士短篇全集Ⅰ 歌う骨』 R・オースティン・フリーマン ☆☆☆☆ 昔から好きなソーンダイク博士の短篇全集が出たので、これは買うしかないと心を決め、大枚はたいて分厚い本書を購入した。ソーンダイク譚のオリジナル短篇集二つが、発表当時の挿絵…

横道世之介

『横道世之介』 沖田修一監督 ☆☆☆☆ 私は沖田修一監督の『南極料理人』が大好きで、所有しているブルーレイでもう何度観たか分からない。だからこの監督の他の映画も観てみようと思って、評判が良さそうな『横道世之介』をAmazonで入手した。主演は『南極料理…

万華鏡

『万華鏡』 レイ・ブラッドベリ ☆☆☆☆ 去年の12月頃だったと思うが、中学生の頃読みふけったレイ・ブラッドベリを久しぶりに読み返したくなり、自薦ベスト短篇集『万華鏡』を入手した。子供時分、エドガー・ポーの次にハマったのがブラッドベリだった。あの頃…