2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

天使のいる廃墟

『天使のいる廃墟』 フリオ・ホセ・オルドバス ☆☆☆☆ スペインの作家、フリオ・ホセ・オルドバスの『天使のいる廃墟』を読了。著者が生まれ育ち、今も住んでいるスペインのアラゴン州はメキシコによく似ているそうだが、本書もラテンアメリカ文学に非常に近い…

新座頭市物語 折れた杖

『新座頭市物語 折れた杖』 勝新太郎監督 ☆☆☆ 所有する座頭市ブルーレイ・ボックスから残り少ない未見作品を鑑賞。シリーズ24作目の「折れた杖」だが、これはシリーズ中初めての勝新太郎監督作品である。やはり監督をやらせても型破りなのか、出来の良し悪し…

バロウズという男

『バロウズという男』 ウィリアム・バロウズ ☆☆☆ かつてペヨトルエ房から出たバロウズのエッセイ集を再読。この本もいまや絶版らしいが、まあ一般の人々にあまり需要はないだろう。私もこの本を引っ張り出したのは十年以上ぶりだ。小説ではなくエッセイとい…

インフォーマント!

『インフォーマント!』 スティーヴン・ソダーバーグ監督 ☆☆☆☆ 所有しているブルーレイでソダーバーグ監督の『インフォーマント!』を再見。これはソダーバーグ監督の映画の中では人気がない方の作品と言っていいと思う。世間の評価もそれほど芳しくないと思…

豚の戦記

『豚の戦記』 ビオイ=カサレス ☆☆☆ ビオイ=カサレスの文庫本『豚の戦記』を再読。これは昔読んであまり記憶に残らず、今回ためしに再読したがやはり印象は薄かった。ビオイ=カサレスといえばどうしても『モレルの発明』『脱獄計画』などの奇々怪々な長編…