2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Xと云う患者 龍之介幻想

『Xと云う患者 龍之介幻想』 デイヴィッド・ピース ☆☆☆ これは日本在住のイギリス人作家が書いた、芥川龍之介を題材にした小説である。あの柴田元幸氏が「あの文豪の生涯と作品を織りまぜて、リシャッフルし、夢見直して、12の妖しい、美しいピースに仕立て…

ウィンド・リバー

『ウィンド・リバー』 テイラー・シェリダン監督 ☆☆☆☆ Amazon Primeで二度目の鑑賞。ネイティヴ・アメリカン保留地で起きた殺人事件の捜査を描くクライム・サスペンスもので、主演はジェレミー・レナーとエリザベス・オルセン。アベンジャーの二人である。が…

事件の予兆

『事件の予兆 - 文芸ミステリ短篇集』 中央公論新社・編 ☆☆☆☆☆ 純文学作家が書いたミステリ的短篇10篇を集めたアンソロジーである。しかも、あからさまな「事件」ではなく「予兆」。予兆とはつまり仄めかしであり、暗示であり、多義性のことだ。必然的に、…

夏の雷鳴 わるい夢たちのバザールII

『夏の雷鳴 わるい夢たちのバザールII』 スティーヴン・キング ☆☆☆★ 『マイル81』に続き、「悪い夢たちのバザール」第二巻を入手した。第一巻と同じくとてもバラエティ豊かな短篇集だけれども、個人的には『マイル81』の方が好きな作品が多かった。なんとい…

離愁

『離愁』 ピエール・グラニエ・ドフェール監督 ☆☆☆☆ 1973年公開のフランス=イタリア合作映画で、主演はジャン・ルイ・トランティニャンとロミー・シュナイダー。久しぶりにDVDを棚から引っ張り出して鑑賞したが、これはもうタイトルからもお分かりの通り完…