2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ラスト・ターゲット

『ラスト・ターゲット』 アントン・コービン監督 ☆☆☆☆☆ iTunesのレンタルで鑑賞。ジョージ・クルーニー出演のヒットマン映画ということで、なんとなくB級アクション映画みたいな先入観があって敬遠していた。映画のポスターもありがちな感じだし、邦題の『ラ…

銀河の果ての落とし穴

『銀河の果ての落とし穴』 エトガル・ケレット ☆☆☆☆★ エトガル・ケレットの新作短篇集の邦訳が出たので、さっそく入手した。茶目っ気たっぷりの軽やかな文体も型破りな発想も、もちろん全然変わりはないけれども、やっぱり短篇集全体を通して読むと、多少の…

フライデー・ブラック

『フライデー・ブラック』 ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー ☆☆☆☆☆ 変わった名前の作家さんだが、両親がガーナ出身のアフリカ系アメリカ人とのこと。ニューヨーク生まれのニューヨーク在住。1991年生まれだから今年まだ29歳という初々しい新人作家のデビ…

ナイブス・アウト/名探偵と刃の館の秘密

『ナイブス・アウト/名探偵と刃の館の秘密』 ライアン・ジョンソン監督 ☆☆☆☆★ 本格パズラー映画に傑作なし、と誰かがどこかに書いていた気がする(気のせいかも知れない)が、確かにミステリ映画は腐るほどあるのに本格パズラー、つまりフーダニットものの傑…

1973年のピンボール

『1973年のピンボール』 村上春樹 ☆☆☆☆☆ 本書は大昔に文庫を買って読み、全然何も心に響かず面白いとも思わなかったのですぐ処分してしまった小説である。確かこれが、最初に読んだ村上春樹の長編だったと思う。その後いくつか他の作品を読み、村上春樹って…

案内係

『案内係』 フェリスベルト・エルナンデス ☆☆☆☆★ グアテマラの作家フェリスベルト・エルナンデスの名前を初めて目にしたのは、ラテンアメリカ文学のアンソロジー『美しい水死人』で「水に浮かんだ家」を読んだ時だった。水に浮かんだ家と、そこに住む巨象の…