2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

雲をつかむ死

『雲をつかむ死』 アガサ・クリスティー ☆☆☆★ 中期のポアロものを再読。この『雲をつかむ死』は有名な『三幕の殺人』や『ABC殺人』と同時期の作品で、つまりクリスティーの脂の乗り切った時期に書かれた作品である。が、そのわりにはあまりメジャーでもない…

眠狂四郎無頼控 魔性の肌

『眠狂四郎無頼控 魔性の肌』 池広一夫監督 ☆☆☆☆ 日本への帰国準備で多忙をきわめているため11日ぶりの更新になってしまった。これはシリーズ第9作目で、先にレビューした『眠狂四郎無頼剣』の次の作品である。 『無頼剣』の監督は三隅監督だったが本作は池…

十三の物語

『十三の物語』 スティーヴン・ミルハウザー ☆☆☆☆☆ 先週末はグランド・キャニオンへ旅行していたせいで更新できなかった。毎日朝の4時や5時に起床して日の出を眺めたりしていたせいで、旅行から帰ってきた時はものすごい疲労感だったが、その甲斐はあったと…

地球の中心までトンネルを掘る

『地球の中心までトンネルを掘る』 ケヴィン・ウィルソン ☆☆☆★ 今まだ40代ぐらいの、現役バリバリのアメリカ人作家の短篇集。いわゆるアンリアリズム系の奇想作家で、本書には祖母の代理業の話「替え玉」、自然発火で人間が燃えてしまう「発火点」、若い男女…