2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

赤い魚の夫婦

『赤い魚の夫婦』 グアダルーペ・ネッテル ☆☆☆☆★ メキシコの作家の短篇集を読了。人間のドラマを、何かしら人間以外の生き物と絡めて描いた短篇が五つ収録されている。面白い趣向だ。生き物とは魚、昆虫、猫、菌類、蛇などでとても幅広いが、ストーリーとの…

眠狂四郎多情剣

『眠狂四郎多情剣』 井上昭監督 ☆☆☆ このところ映画といえば眠狂四郎シリーズのことばかり書いているが、自分で所有するDVDを取り出して順に再見しているのでこうなっている。別に熱狂的なファンじゃないのでDVDもいくつかしか持っていないが、初見時はスト…

ル・クレジオ、映画を語る

『ル・クレジオ、映画を語る』 ル・クレジオ ☆☆☆☆ 本書はタイトル通り、イタリアのノーベル賞作家ル・クレジオが映画への愛を語る本である。これぐらいビッグな作家が映画について情熱的に語る文章を読むのは言うまでもなく、書物と映画を同時に愛する私のよ…

星の時

『星の時』 クラリッセ・リスペクトル ☆☆☆☆★ 作者は1920年にウクライナで生まれ、ブラジルに移住し、ポルトガル語で数々の作品を書き、1977に死去した女流作家である。本書はそのクラリッセ・リスペクトルが発表した最後の小説で、著者が死去する直前の1977…