2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

左手のための小作品集

『左手のための小作品集』 J・ロバート・レノン ☆☆☆☆ この短篇集というか掌編集の日本語訳が出るのを、私はずっと待ちわびていた。以前、柴田元幸氏・編集責任の雑誌『MONKEY』に掲載された掌編三つを読んで、なんとあか抜けた掌編だろうと感嘆したからだが…

新・男はつらいよ

『新・男はつらいよ』 小林俊一監督 ☆☆☆ シリーズ第四作目を手持ちのDVDで久しぶりに再見した。これは山田洋次が監督ではない、数少ない『男はつらいよ』シリーズ作の一つで、当然ながら山田洋次監督作品とはどことなく肌触りが異なっている。本シリーズはそ…

八つ墓村

『八つ墓村』 横溝正史 ☆☆☆☆ 久しぶりに野村芳太郎監督の映画版『八つ墓村』を観た後、原作を再読した。映画はホラーというか怪談になっていて、原作のミステリ要素がほぼ全部除去されているので、ミステリ小説『八つ墓村』をあらためて味わいたくなったので…

陽のあたる場所

『陽のあたる場所』 ジョージ・スティーヴンス監督 ☆☆☆☆ 有名なクラシック映画をAmazon Primeで初鑑賞。主演はモンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラー。まさにギリシャ彫刻のような、あるいは神話の中に棲む存在のような、映画スター然とした二人の共…

覇王の家

『覇王の家(上・下)』 司馬遼太郎 ☆☆☆☆ 『国盗り物語』『新史太閤記』『関ケ原』『城塞』と司馬遼太郎の戦国時代もの、つまり織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の天下取り競争を題材にした作品は大体読んだが、どれもこれもあまりにも面白く、他にないものかと…

ハンナとその姉妹

『ハンナとその姉妹』 ウディ・アレン監督 ☆☆☆☆☆ アマゾン・プライムで鑑賞。大昔に一度映画館で観たがあまり印象に残らず、すっかりストーリーを忘れていた。が、今回もう一度観て、なんといい映画だろうかとハートを鷲掴みにされた。昔と違ってウディ・ア…