2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧
『さらば友よ』 ジャン・エルマン監督 ☆☆☆☆ 60年代末フランスの犯罪映画。これをノワールと呼んでいいものかよく分からないが、ともあれアウトローたちの美学を描いた「男」の映画である。アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンの共演で、今じゃどうか知ら…
『愛のゆくえ』 リチャード・ブローティガン ☆☆☆★ 『西瓜糖の日々』に続く、ブローティガン四作目の長編。再読。あまりらしくない邦題だが、原題を直訳すると「妊娠中絶 - 歴史的ロマンス1966年」となる。ブローティガンらしいポエティックで非現実的な設定…
『One of a Kind』 Dave Grusin ☆☆☆☆☆ 『Mountain Dance』に並ぶデイヴ・グルーシンの傑作にして、クロスオーヴァーの名盤。クロスオーヴァーという言葉は死語で正しくはフュージョンと言うべきなのだろうが、このアルバムにはクロスオーヴァーという語感が…
『鄙の宿』 W・G・ゼーバルト ☆☆☆☆★ ゼーバルトの『鄙の宿』を読了。本書はゼーバルトが思い入れを持つ作家や画家について書いたエッセー集だが、ゼーバルトにおいてはエッセーと小説の境界が非常に曖昧なため、本書に収録されたテキストを読んでいると『ア…
空き巣 その頃ぼくとマリエが住んでいた部屋はすごく散らかっていた。散らかっていたけれども、ぼくたちはむしろそれを心地よいものと見なしていた。ぼくたちはその散らかりようをどこかアーティスティックだと思っていて、それは当時二人とも美術学校に通っ…
『紅の豚』 宮崎駿監督 ☆☆☆☆★ 宮崎駿監督の『紅の豚』の日本版ブルーレイを購入して再見。『天空の城ラピュタ』をブルーレイに買い換えたところかなり画質が向上していて非常に良かったので、味をしめて『紅の豚』も入手した。 個人的には結構気に入っている…
『創作の極意と掟』 筒井康隆 ☆☆☆☆ 本書は筒井康隆の作家としての遺言、まったく新しい小説作法、など色々と喧伝されているようだが、読んでみると実は「小説を書く」ということについての比較的リラックスしたエッセイである。著者本人も序文で「ふざけたタ…
『ピクニック at ハンギングロック』 ピーター・ウィアー監督 ☆☆☆☆ 日本版ブルーレイで鑑賞。不思議な味わいの映画で、かなり面白かった。女学校の生徒達がハンギングロックと呼ばれる岩山へピクニックに行き、生徒3人と教師1人が行方不明になる。町をあげて…
『第三の警官』 フラン・オブライエン ☆☆☆☆ 相当に荒唐無稽な、知的な遊びに満ち満ちた小説である。プロットは極端にシュールレアリスティックで、ちょっと他では見られないほど奇妙だ。主人公「わたし」は老人殺しの犯人で、共犯であるもう一人の男が金をネ…
『嵐が丘』 ウィリアム・ワイラー監督 ☆☆☆★ 英語版のDVDを購入して鑑賞。モノクロ映画である。大昔にどこかの名画座で観たが、ほとんど記憶にない。大好きな原作だし、ローレンス・オリヴィエは好きな俳優なので再見した。 あの長大な原作を映画化するに当た…
『無関心な人びと(上・下)』 アルベルト・モラヴィア ☆☆☆☆ モラヴィアのデビュー作を再読。それにしても、これが20歳の新人作家のデビュー作とはとても思えない。確かに荒さはある。後年のモラヴィアの傑作群を特徴づけるあの緻密でマニエリスティックな職…
『バットマン ビギンズ』 クリストファー・ノーラン監督 ☆☆☆ ダークナイト・シリーズは大好きで、この『ビギンズ』もDVDを所有していたが、今回ブルーレイに買い替えて再見した。言うまでもなく、これがシリーズ第一作である。 公開時に映画館でも観たが、そ…
『途中の家』 エラリー・クイーン ☆☆☆ 再読。これは国名シリーズの直後、『災厄の町』から始まる一連の「後期クイーン」作品群の前に発表されたもので、国名シリーズの雰囲気が濃厚に漂う作品である。「読者への挑戦」も入っているし、謎解きの論理性も同等…
『風立ちぬ』 宮崎駿監督 ☆☆☆☆☆ 宮崎駿監督の最終長編アニメとなった『風立ちぬ』を日本語DVDで鑑賞。宮崎駿のアニメとなればアメリカでも映画館で上映するわけで、私も一応鑑賞済みだったが、英語吹き替えではないオリジナル・バージョンを観たのは今回初め…