2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

双頭の悪魔

『双頭の悪魔』 有栖川有栖 ☆☆★ 初めて読んだ有栖川有栖のミステリ。この人はエラリー・クイーンばりの論理的推理が売り物といわれていて関心がなくもなかったが、読んだことはなかった。この『双頭の悪魔』はそんな有栖川有栖の最高傑作であり、日本の本格…

ボーン・レガシー

『ボーン・レガシー』 トニー・ギルロイ監督 ☆☆☆★ 手持ちのDVDで再見。世間ではどうやらケチョンケチョンに酷評されているらしい『ボーン・レガシー』だが、私は結構好きである。もちろん、マット・デイモンのボーン三部作と比べると見劣りするが、シリーズ…

対岸

『対岸』 フリオ・コルタサル ☆☆☆ 「フィクションのエル・ドラード」シリーズでコルタサルが出た、と喜び勇んで買ったら、ごく初期の習作的な短編集だった。アマゾンから届いた本の帯には「幻の処女短編集」とちゃんと書いてある。通信販売だけに頼っている…

白鳥の歌

『白鳥の歌』 ☆☆☆★ 刑事コロンボ第24作目のエピソード。今回はカントリー歌手が自分の奥さんとコーラス隊の娘を殺害する。犯人役はカントリー界の大御所、ジョニー・キャッシュ。当然ながら、今回のエピソードは彼の歌声で全篇彩られている。ジョニー・キャ…

気狂いピエロ

『気狂いピエロ』 ジャン・リュック・ゴダール ☆☆☆☆ ゴダール映画は以前『10ミニッツ・オールダー』の中の「時間の闇の中で」を観て、他の映画監督と全然違うその映像センスと発想に度肝を抜かれた記憶があるが、長編映画をちゃんと観たことがなかった。とい…

新宿鮫

『新宿鮫』 大沢在昌 ☆☆☆☆ 新宿鮫シリーズ第一作目を再読。やはり面白い。その後のシリーズ作品を色々読んでまたこの原点を読み直してみると、当然のことながら主人公・鮫島刑事の特異なキャラクターが物語の中心になっていて、それが逆に新鮮だ。二作目以降…

シングルス

『シングルス』 フリッパーズ・ギター ☆☆☆☆★ フリッパーズ・ギターのシングル集。コアなファンの中には、これはアーティストの意向で出されたものではない、B面が完全収録されていない、などの理由で批判する人もいるようだけれども、特にコアでもない私のよ…

いつも手遅れ

『いつも手遅れ』 アントニオ・タブッキ ☆☆☆☆☆ 去年の秋に買ったアントニオ・タブッキの『いつも手遅れ』を、間を空けながらこれまでに三回読んだが、読むたびに少しずつ印象が変化してきた。最初読んだ時は、これまでのタブッキとはずいぶん違うなと思った…

座頭市千両首

『座頭市千両首』 池広一夫監督 ☆★ シリーズ6作目。まだ初期の作品なので期待したが、これは結構な駄作である。脚本があまりにもテキトーだ。座頭市の居合い斬りを連続で見せるタイトルバックから嫌な予感がする。あれがウリなのは分かるが、だからこそ安売…

刑事コロンボ カリブ海殺人事件

『刑事コロンボ カリブ海殺人事件』 W・リンク/R・レビンソン ☆☆☆★ 前にも書いた通り私はコロンボのノヴェライズ本を多数所有しているが、活字のコロンボには映像化されていない幻のエピソードというものがいくつかあり、私はその中の『死のクリスマス』と『…

女が階段を上る時

『女が階段を上る時』 成瀬巳喜男監督 ☆☆☆☆☆ クライテリオン版DVDを入手して鑑賞。『流れる』のような芸者の世界ではなく銀座のバーが舞台ということで、なんとなくこれまで手を出さすにいたのだが、いやー面白かった。全篇これアイロニーの塊である。成瀬作…

もうひとつの街

『もうひとつの街』 ミハル・アイヴァス ☆☆☆☆ チェコの幻想作家が書いた『もうひとつの街』を読了。最初にあらすじを読んで、ファンタジックな冒険ものかと思っていたらそうでもなかった。一言で言うと、これはシュルレアリスム絵画である。一人称小説だが、…

呪われた夜

『呪われた夜』 イーグルス ☆☆☆☆☆ イーグルス4枚目のアルバム。この次の『ホテル・カリフォルニア』でロック界の頂点を極めることになる彼らだが、この『呪われた夜』も負けず劣らず素晴らしいアルバムだ。甲乙つけがたい。個人的にはこっちを聴くことの方が…

ゼロ時間へ

『ゼロ時間へ』 アガサ・クリスティー ☆☆☆★ 再読。これはクリスティーの自己ベストテンにも入っている作品で、普通のミステリとは一味違う野心作と言われている。江戸川乱歩も高く評価していたようだが、ポアロやミス・マープルという人気探偵が出てこないせ…

野菊の如き君なりき

『野菊の如き君なりき』 木下惠介監督 ☆☆☆☆ 1955年の木下惠介監督作品を、日本版DVDで鑑賞。モノクロである。これが有名な『野菊の墓』の初映像化作品らしい。その後山口百恵でTVドラマになったり松田聖子で映画化されたりと、なぜかアイドル映画の定番にな…